(2002,9,19)BY 横沢入のクマ


秋の豊かな里山が見たくて九州に来ました。
福岡県南部に位置する星野村は、人口約4000人の緑豊かな山村です。
日本の棚田百選に選ばれた星野村には、村内各地に自然と共に暮らしてきた先人達の知恵を感じる美しい里山が点在します。


村の大部分を山地が占めるこの村では、傾斜地でより多くの農耕地を確保するために、耕作時に出た石を用いた石積みの棚田が形成されてきました。
堅固な城壁にも似たこの石積みは、熟練した石工の高い技術を感じさせ、改めて「百姓とは、百の姓(技術)持つもの」という言葉の意味を認識しました。

なかでも最も精巧な石積みで有名なのが広内・神原地区の棚田群です。 村の観光名所のひとつとして休日には多くの観光客が訪れます。 真っ赤に色づいた彼岸花と黄金色の稲穂の景観は、どこか懐かしく幻想的な風景でし た。

豊かに実った稲は、天日にあてじっくり乾燥させる昔ながらの「かけ干し」でおいし いお米に変わります。 大型機械の入りにくい棚田では、全て小型機械と手作業でこの過程を行います。

こうしてできた棚田米は、村の特産品として様々なところで販売されてました。 料金は、1キロ500円くらい。 米としてはちょっと高めですがこれを作る手間隙考えれば当然かな?って気もしま す。 しかも、この棚田の保全に一役かってると考えれば・・・安いもんですね。 私も買って帰りました。

各地で里山が崩壊している中、村の産業としてしっかり根付いた星野村の里山は、
これからの里山保全のあり方に明るい希望を投げかけてくれました。


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