猛禽類調査に関する検討会・速報01
                                     2002.06.14
                文責 東京オオタカ保護連絡会事務局 境原


 本日14日午前9時から11時まで都庁第二庁舎10階212会議室で、東京都指導のもと、事業者主体の猛禽類調査に関する検討会が開かれました。同検討会の出席メンバーは専門家として 日大 葉山嘉一地元NGO(専門家)としてオオタカ保護連絡会から、田中希境原達也東京都環境局自然環境部 石原課長宮本係長宗野次席事業者側として山一土地梶@知高所長矢口 潟Iオバ 中野部長田中課長山本課長 (敬称略)



1.出席者の紹介

2.事業者挨拶  山一土地 知高所長
  長山北部丘陵の開発申請にあたり、平成2年の調査の結果をもとに、平成8、9年と調査を続けてきた。その後も都のアセスに対する指導に基づいて継続的な調査を行ってきたが、現時点まで計画地内には、オオタカの営巣僕は見つかっていない。
 現在都の指導により、地元NGOの協力も得て、継続調査中であり、事業中も継続的な調査を続ける予定である。
 そして今回、専門家の先生の、現時点でのご意見をお聞きして、今後、東京都の判断を仰ぎたい。

 以上の主旨説明

3.調査内容の報告 
 ・事業者側の説明 オオバ 山本課長
 2001年(平成13年)12月以降の調査データをまとめたものが全員に予め、配られる。データの説明。
  
 ・東京オオタカ保護連絡会の説明 田中 希
 1996年97年の地元ナチュラリストの方の営巣確認から始まり、2001年の巣外育雛期における、幼鳥の呼びかけ声の確認。その後のディスプレイ飛行、餌の搬入行動、またクマタカの求愛給餌行動等の報告を行う。
 
 資料提示はせず、山一の資料データと青梅の地図(25,00分の1)を用いて、調査データの概要を口頭で説明。
 
 ・専門家による意見の前に質疑や意見交換
 
 主に、葉山先生の質問に、それぞれの立場で答えなおかつ、意見を述べる。
    
 ・専門家による意見(前項の意見交換の中での葉山先生の意見)
 3月のオスメスの長時間に渡る停留、下尾筒のパンパンに張ったメス個体が同時に2羽確認されたとの件(オオタカ保護連絡会の報告)の後で「計画地西側に生息すると思われる個体(ペア)と東側のゴルフ場側との個体が計画地の東側とかで狩場の接点があり、、棲み分けをしているかもしれませんね。」
    
 またその前後の調査報告を受けて
    
 「計画地内に巣が無いとしても、その個体が西へ動いた可能性が強い。
 そして計画地を自由に狩場として使用している。
 
メスが同時に、早い時期に現れるのは珍しい事ではない。
 メスがどちらかを選んでといった態度をとることもある。求愛期の最後(間際)まで言ってペアリングが決定する事もありますので。それにしても、オスが計画地に執着している。」
    
 「営巣地の移動については、人の立ち入りは微妙で、調査のための立ち入りで、翌年営巣地を、隣の谷に移された例を自分も経験しています。営巣地の移動についての原因は微妙です。」
 
 周辺地の営巣の確認についてはの問いに田中が地図で多少の補足説明を行う。
    
 「西側の行動の調査を行い、行動域を特定しなければ……。ここの個体(ペア)の主たる行動域であればダメージが大きいので。」
 
 山一 矢口氏が、法的手続きその他について説明のあと、審議会の許可を得た後に、保護方策の検討をしてゆきたい旨の発言を行う。
 
 それに対して、田中及び境原から基本的なところの判断をしなければいけない場面であり、計画の変更縮小を含め手の問題で、単なるミティゲーションで、代替の営巣地や採餌場を作る件は、簡単にはいかない問題ではないかとの発言を行う。
 
 現時点で、あえて専門家の意見をお聞きするとしたらとの、山一側の発言に対して
 
 「残念ながら、先ほど来申し上げているように、西側の調査を含めて、調査データの不足である。調査データを積み重ねて、環境省の営巣中心域、高利用域等の特定をした上で、判断すべきである。」
    
 その後、都の自然の保護と回復の条例の指導指針を引用して、営巣木から350メートル離れているからとの意見に対しても
 「環境省のマニュアルは不充分なまま作られた。その時点で自分も関わっているが、その後の委員との話でも、画一的は判断でなく、十分に調査検討しつつ適用すべきだ。同心円を描いただけで判断するのは不適切。」
 
 都 宮元係長の 都としては一定規模以上の開発で審議が行われるが、東京都は、動植物に対する調査等を指導、結論は専門家による意見を頂きながら、都は判断をしなければならない可能性だけでなく、じゃー実際にどうなのかとの問いに。
 
 田中より営巣中心域の可能性がある、幼鳥の巣立ち分散に利用する場合も、営巣中心域である。
 境原より基本的に、環境省のマニュアルに則って、2営巣期きちんと調査されていれば、こんな話にはならないでしょうが、現在では営巣状況も含めて、きちんとしたデータが不足である。
 
 そして葉山先生からは「専門家の意見を言うには情報不足。今の情報だけで判断しろといわれれば、営巣中心域、高頻度利用域にかかるかもしれないので描けない。基本的には定点を増やして、データを重ねる必要がある。」
 
4.意見交換
 ほぼ前項に費やしてしまい、実質てきにはなし。
 
 次回 合同調査  6月16日(日)
 次回 検討会   山一よりの提示で葉山先生はOKとのことで6月18日(火) AM9時より11時 都庁にて予定 
                                               
                                             以上

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