猛禽類調査に関する検討会・速報02 2002.06.20 |
文責 東京オオタカ保護連絡会事務局 境原 |
本日14日午前9時から11時20分まで都庁第一庁舎25階会議室で、事業者主体の猛禽類調査に関する、第2回目の検討会が開かれました。 同検討会の出席メンバーは専門家として 日大 葉山嘉一、地元NGO(専門家)としてオオタカ保護連絡会 田中希 、境原達也、東京都環境局自然環境部 石原課長、宮本係長、宗野次席事業者側として山一土地梶@知高所長、矢口、潟Iオバ 中野部長、、山本課長(敬称略) 1.6月16日の合同調査の報告 ・事業者側の説明 オオバ 山本課長 定点調査(6地点+3地点)で調査を行う、営巣木確認のための踏査(約2時間)も同時に行う ・保護連絡会の確認をしていないデータのまとめということで、その席で意見を求められましたので、調査時の内容との飛行の軌跡等多少の修正を指摘いたしました。 2.山一が参考資料として、東電の古里への増電工事における環境調査の資料を入手したとのことで、補足資料として、計画地周辺の部分のみのデータを、一部抜粋したものの提出あり。 3.・専門家による意見(意見交換の中での葉山先生の意見を中心に) 東電の資料で、平成12年は1月から8月である程度やっていますが、翌平成13年は、データが少ないのではなく、やっていないのではとの意見が葉山先生からありました。 これについては、定点の配置を見ますと、今回の計画地のみが調査対象ではないために、調査を回数行っていても、計画地周辺をしっかりカバーできる内容ではありません。 ・16日の調査を見まして、西側にデータが集中していましたが、当日は天候の都合で、遠望が効かず、近場でしか捉えられていない点を補足説明。 オオバの中野氏から、青梅ゴルフ場のクラブハウスの上が遠望が効き、定点としてどうか。西側の方向の調査の確認地点をどうするかとの発言がありました。 ・葉山先生からは、今後の調査で、西、北側の目視をできる箇所に定点を置く。かといって、営巣に近づき過ぎないこと。計画地内の利用について、評価をきちんとやらなければならない。地形条件は東側に開けているので、推測ですが、頻繁に利用しているのでは。 ・葉山先生から、東側隣接のペアはどうかの質問があり。 ゴルフ場周辺かもう少し東には別のペアがいると思われると返答(保護連) ・葉山先生から、東電の資料では1月から8月が一緒になってしまっているので、前半はペアの確定が不安定で、東と西が重なったデータになっており、繁殖期の安定期のデータだけを取り出して判断すると良い。 ・葉山先生から、営巣の情報に関する再確認があり。 営巣確認は、平成8年、9年は確認されており、落巣は?(確認しておきます)。ただし、2001年8月に巣立ち幼鳥のねだり声を保護連で確認あり、と返答。 →これについては、翌平成10年には落巣との情報です。 ・事業者(知高氏)から、営巣木がもし見つかったらとの質問に 葉山先生から、営巣地は計画地周辺または隣接で確認と表現で、特定できる方角等は入れない。000メートルぐらいで、隣接ですかとの問いに・・・、オオタカにとっては1.5〜2kmぐらいは隣接ですとの発言。 ・事業者(知高氏)から、オオタカの2キロは隣接といった行動圏から考えて、計画地約90ヘクタールのうち、60ヘクタールの開発は、それほど影響はないのでは……。また影響を数値的に判断できるものを示していただければ。 ・葉山先生から 利用域の内部構造を押さえてゆく必要がある。人間の眼で、針葉樹、広葉樹、谷戸構造……などが、使い方の偏りがあるので、(調査によって)利用の内容を判断しなければならない。内容の質である、高利用域等。営巣ポイントは状況によって替わることはある。そのペアを支える周辺の地域の条件は変わらないケースでもある。はっきりとはわからない。 ペアが分布できる可能性のある樹林は目星をつけられる。(今の状況では)その地域で、どこが重要かの判断ができる情報の、蓄積が出来ていない。 ・事業者(矢口氏)から、許可を頂いて、調査を続け、モニタリングを行いつつ、検討ということで、一気に開発をするのでなく、前回お出ししましたように3年、4年とかけてすすめて行くわけでして……。 ・保護連絡会より、仮に計画地外であっても、現在営巣木の確認、専門家による検討によって対応という場面で、調査データが不足、調査を要するとの意見で、最初に戻って、内部構造の把握のための調査が必要との見解を述べる。 ・事業者(知高氏)から、平成2年から継続して調査をやっているおり、専門的意見を頂いて、何らかの方向を頂きたい。矢口氏からは、許可ご調査を継続して行きながら対応してとの意見がでる。 ・葉山先生から モニタリングの後の変更(軽重が)が判断できない。今の大雑把なデータから判断すると、厳しいですが、利用域の判断をすると、計画の見直しが、採算のとれない変更が要求されるかもしれません。モニタリングの結果によって、その工事の影響も反映して変更ゆくわけで、些細なものでも影響がないとは言えないわけで……。非繁殖期に入れば、音の出ない工事等は可能かとは思いますが……。いずれかの、事業の規模を問わずに手が入れば、オオタカに影響を及ぼすことは間違いがない。 ・都・宮本係長からの確認 データ的には少ない。確かに。東電のデータもあるが。 事業区域について営巣の可能性は薄い。 事業区域につい西側の営巣ペアの行動について、高利用域、営巣中心域にかかる可能性がある。 で今後どうなのか・・? 現時点で、営巣地確認調査を、20日に実施。いつまでどのような調査が必要か? ・葉山先生から 今期 営巣期調査 前半はデータが不足だが、次期 営巣期調査で西、北側のデータを取り、メッシュ解析をする。古巣の位置、パーチの位置等で、営巣中心域も検討、餌条件、環境条件を判定。食痕調査によっても情報が得られる。また土地情報、周辺を含めた開発状況等も検討。 ・都・宮本係長から 今後の調査は、事業が入ってからではまずいか?更に精度の高い調査をした場合に、その事業をやりながらではまずいか? ・葉山先生から 正規の手順では、事業の実施の前、調査手続きを行うのがルールですので、(このルールは)重いと思うのです。 ・オオバ中野氏、許可を頂いた後だと、もう1時期(繁殖期)というと、他の法手続きが無効になってしまう。 ・葉山先生から オオタカの専門家としての立場、埼玉等で手続き等を審査・すすめている。立場としては、開発許可後の調査はすすめられない。 ・都・石原課長、調査を継続してデータをとる。事業を進めながら、モニタリングを行い、計画の見直しを含めて、すすめられないか? ・検討会の意見(オオタカ保護連絡会の意見) 今繁殖期、計画地内では繁殖していないのではと思う。ただし、開発地域を繁殖ペアが、どういう利用をしているのかの判断については、材料が不足している。 ・葉山先生の意見 もう一繁殖期の調査を行えば、データとしては、しかるべき改善の方法等が取れることを条件に、手続きは可能かと思うが、その判断は、しかるべき部署がおこなうことである。 ここでは、影響がある行為を行うことは、調査に影響を与えるので、避けたほうが良い。 ・保護連絡会・田中 営巣中心域との可能性もある。その場合、計画そのものも抜本的に見直しの必要がある。 従って、許可後のモニタリングでは、との意見はありえない。 ・葉山先生の意見 営巣しているのか、また影響の可能性があるので、情報の収集が必要だ。利用域の取り方。取られ方は今の段階では、情報が不足だから、情報の収集が必要。 ・都・宗野氏、情報の収集は1.5年に直結するのか? ・葉山先生の意見 1.5年に直結するといえる。 以上 |